APUの決定版という感じがするのは私だけではないのかもしれない。
Zen4のAPU
Ryzen 8000GシリーズのAPUが発表されたのはちょっと前の話だが、ようやく先日発売となった。
国内価格でいえばRyzen7 8700Gが57,800円、Ryzen5 8600Gが39,800円、Ryzen5 8500Gが29,800円になる。
RDNA3のGPUが内蔵されているという事を考えれば、かなりリーズナブルな感じがするが、まぁCPU内蔵のGPUなのでこれぐらいが妥当だろ? と考える人も多いかもしれない。
だが、今回のRyzen 8000Gシリーズは、ちょっと今までのAPUとは異なると考えてよいかもしれない。
というのも、搭載しているGPUの性能が結構な性能であるという事、上位2製品に関してはRyzen AIというNPUが搭載されている事、それでいてZen4コアが8700Gで8コア、8600Gで6コア搭載しているので、処理能力としても申し分ない事を考えると、コストパフォーマンス的には相当に良い製品、と言わざるを得ないかも知れない。
しかもナンバリングが8000台になった事で、今までのAMD CPUにはなかったAV1エンコーダが内蔵されたというのも特筆すべき事かもしれない。
それらをモノシリックダイとして1パッケージにおさめ、65W品として発売しているのだから、ある意味とても良く出来たAPUではないかと思う。
気になるのはそのパフォーマンスだが、既にテック系サイトではベンチマークなどが公開されている。
それをみても、その性能の高さには驚くばかり。
1080Pでゲームをプレイするレベルなら、もう外付けGPUがなくても普通に遊べてしまう…そう言えるものだと思う。
最高パフォーマンスではないが
Ryzen 8000Gシリーズの中でも、最上位のRyzen7 8700Gに特化して考えていきたいが、このAPUを選ぶ事で、ほとんどの機能・性能の平均点以上の性能は得られると考えて差し支えない。
CPU性能でいえば、Ryzen7 7800X3Dと比較しても驚く程性能が落ちるわけでもなく、順当な性能を見せている。しかもAV1エンコーダが内蔵されている事から、有利にできる事は世代が新しいだけ多いという利点もある。
GPU性能でいえば、FF14 暁月のフィナーレのベンチマークで1080pの最高品質で計測しても6,500弱という結果が出るので、相当なパフォーマンスを持っていると言える。
もう1080pでのプレイならば外付けGPUがなくても普通に遊べるぐらいの性能は持っていると言えるだろう。
では、何がRyzen7 8700Gのネックになるか? というところだが、実に細かい所に弱点が隠されている。
まずPCI-Eの接続がGen4に限られるという事。M.2 SSDの接続でも速度がGen5とGen4で異なるが、Ryzen 8000GシリーズはGen4でしか接続する事ができない。
また、GPUを接続しているPCI-Eがx16ではなくx8が最高になるという事。なので外付けGPUを使用する場合は、特に弱点となる。
I/Oまわりが同じZen4を使用したRyzen 7000シリーズよりも弱いというののも弱点と言える。これは、Ryzen 7000Gシリーズの時も同じ傾向にあったが、8000Gシリーズにも継承されているようである。
小型PCに最適
以上から、Ryze 8000GシリーズはAPU単体で使用するような小型PCで最大の活躍を見せると考えられる。
外付けGPUを利用するなら、普通にRyzen 7000シリーズの方がパフォーマンスが出ると言える。
小型PCの場合、その筐体の容積から外付けGPUを搭載する事ができない事が多いので、そういう時にRyzen 8000Gシリーズは大きな効果をもたらすと考えられる。
昨今、ビデオカードの価格が高騰し続けている状況にあるため、Ryzen 8000GクラスのGPUがCPUと共に導入できる事のメリットは大きいと思う。
個人的には、デスクトップでもRyzen AIというNPUがもたらされたという事に大きな意味があると思っている。
デスクトップのみに提供されるCPUも、今後NPUを搭載したモデルが出てきてくれる事を切に祈りたい。
というか、Macに対抗するためには、NPUは重要な要素だと思うのだが…。
ノートとデスクトップでコアを棲み分けるx86勢は、まだしばらくはこのNPUと向き合っていかねばならないのかしも知れない。
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