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DQHDで240Hz駆動のモニタ

ある意味驚異的なスペックを持つモニタだが、当然価格もそれなりの覚悟が必要。

Odyssey Neo G9

Samsungが、32:9のアスペクト比を持つ49型ゲーミング液晶「Odyssey Neo G9」を発表した。8月9日より全世界を対象に発売予定としている。
スペックとしてはDQHD(5,120×1,440ドット)解像度の1,000Rの曲率を持つミニLEDを採用したVAパネルを持ち、ピーク照度は2,000cd/平方m、標準時は420cd/平方mで、コントラスト比は1,000,000:1というとんでもないスペックを持つ。
リフレッシュレートは240Hzで、応答速度は1ms、視野角は上下左右ともに178度、フリッカーフリー機能としてG-SyncやFreeSyncPremium Proに対応する。
インターフェースは、HDMI2.1、DisplayPort1.4、ヘッドホン端子を持つが、他にもUSBポートを2つ持つ。
採用するミニLEDはSamsungの2,048ゾーンのQuantum MiniLEDパネルを採用している事から、そのダイナミックレンジはHDR 1000からHDR 2000と非常に高性能で、ライティングコントロールも8bitから12bitへとより細かい調整ができるとする。
良いモニタだが高い!これだけ高性能だと、その価格が気になるところだが、価格は2,499.99ドルと、日本円にして約247,600円(2021年7月28日現在)という、性能もスゴイが価格もスゴイ製品となっている。

WQHDを横2画面

このDQHD解像度というのは、2,560×1,440ドットのWQHD解像度を横に2画面分とした解像度の事を指すが、この解像度だと横表示解像度は既に4Kモニタを超えるものになり、使う人によっては4Kモニタよりも使い勝手が良くなる。
私などはおそらく4Kモニタよりもずっと使いやすいだろうな、と想像できるのだが、これだけ横に長いと、設置できる場所は限られてくる。
また、このモニタをリフレッシュレート240Hzで表示するには、当然だがそれなりの性能を持つビデオカードが必要になるので、単純に4K表示ができるというだけの性能では、このモニタの真の力は発揮できない。
恐らく、NVIDIAならGeForce RTX 3070クラスは必要だろうし、AMDならRadeon RX 6800クラスは必要になるだろう。
GPUドライバのオーバーヘッドを考えれば、CPUも6コア/12スレッド、或いはその上の8コア/16スレッドクラスのものが必要になると考えられる。
ある意味、ミドルハイからハイエンドクラスのPCではじめて性能を生かし切れる、といったところではないかと思う。

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没入感の高いゲーミングモニタ

ついに5,120×1,440ドットでゲーム向き製品が登場。

DualQHDで165Hz

オランダのPhilips社より、WQHD2枚分にあたるDualQHD解像度ながら165Hzという高速リフレッシュレートに対応する49型液晶モニタ「498P9Z」が発表された。
大きいけどゲーミングモニタ同期技術Adaptive-Syncをサポートし、ダイナミックレンジもVESAのDisplayHDR400認定を取得するという気合いの入ったモニタで、ハイダイナミックレンジと高リフレッシュレートを同時に実現できる5,120×1,440ドットモニタである。
パネルはVA方式で、1800Rの湾曲構造となっている。パネルの機能としては、画面のちらつきを抑える「Flicker-Free」、ブルーライトを低減する「LowBlue Mode」の機能を搭載する。
また、本製品に対して2台のPCを接続した際、キーボードとマウスを本製品につないで切替える事ができるKVMスイッチにも対応し、横長の画面を有効に使えるようになっている。その際、有効となるUSBはUSB3.2規格に準じる。
但し、リフレッシュレートは165Hzと前述したが、それはDisplayPortに接続した場合であり、HDMI接続の場合は75Hzに制限される。
DisplayHDR400に対応するが、表示色は1,680万色なので、色深度は8bitまでとなるのが残念な所ではあるが、色域はDCI-P3で91%、AdobeRGBで89%であり、sRGBであれば122%となる。
現在発売されているモニタの中で、これだけ横長のモニタでありながら、ゲームに適したモデルは他にはないと言えるだろう。

横長の没入感

当Blogでは、ウルトラワイド液晶を取り上げる事が多いのだが、それは私自身が34インチの3,440×1,440ドットの21:9横長モニタを使用しているからである。
一度、この横長モニタを利用すると、その便利さから手放せなくなる事がよくわかる。
普通に考えれば、4Kモニタのように縦幅も広い方が良いのでは? と思うかもしれないが、横長である事の意味の方がとても大きい。
ゲームなどをプレイしていても、ちょっとした情報を横に並べる事ができるという使い方もあれば、単純にゲームに全画面を使い、横の情報を広げ没入感を高める事もできる。
とても重宝するのである。
私は、この21:9のウルトラワイドモニタの横に、さらにWQHD、つまり2,560×1,440ドットのモニタを並べて、デュアルモニタとして運用している。
閲覧頻度の低い情報などはWQHDモニタに表示したり、ゲームをウルトラワイドモニタ全面に表示している時は、このWQHDモニタにちょっとした情報を表示させるという使い方をしている。
人によってモニタの使い方はいろいろとは思うが、ベゼルのない、広い横長モニタは、それだけで見ていて違和感を感じることなく使えるので、とても便利である。

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比較的お手頃価格の横長モニタ

私の目に止まったのは、ウルトラワイド液晶だから。

MSIのVAパネル

MSIから、34インチサイズで解像度3,440×1,440ドット、21:9の湾曲型VAパネル採用の液晶ディスプレイ「Optix MAG342CQR」が、7月14日よりAmazon.co.jpで発売される。
メーカー想定価格は69,800円(税込)で、HDR表示とVESAの動機技術「Adaptive-Sync」に対応する。
この性能でこの価格というのがイイパネルの曲率は1,500Rで、VA方式、リフレッシュレート144Hzで応答速度は1ms、ブルーライトカット、フリッカーフリー機能を持つのが特徴となっている。
コントラスト比は4000:1で、輝度は300cd/平方m、で、色深度は10bit入力が可能と、VA方式というパネルの方式さえ受け入れる事ができれば、必要十分なスペックと思う。
インターフェースは、HDMI2.0×2、DisplayPort1.4×1で、USBハブ機能は持っていない。音声用の3.5mmミニピンヘッドフォン出力もあるが、スピーカーは搭載していない。音楽性能は専用機と比べればオマケ程度と考えておくべきだろう。
VESAマウントは75×75mmと規格内ではあるが、一般的な100×100mmと異なるので注意が必要だ。
これで、消費電力は最大で39Wというから、かなり省電力タイプではないかと思う。
価格的に見ても、性能はかなり良い感じで、コストパフォーマンスも優れているように思えるが、ひょっとしたらそろそろコスト対パフォーマンスの図式が変わる時期なのかもしれない。

使いやすいサイズ

34型のウルトラワイド液晶は、私も使っているサイズのモニタだが、一度使うと病みつきになるサイズと言える。
フルHDを横に2枚並べる事はできないが、ちょっとした追加情報を表示したりする時にとても便利なサイズで、マルチディスプレイのようにモニタとモニタの間にベゼルが入らない事で、その見やすさは格段によくなる。
デスク上に置くと、結構な存在感でもあるのだが、少なくともWQHDモニタを2枚並べるよりは横幅は採らないし、上下幅は通常のモニタ幅と同様なので、案外配置しやすい。
また、表示に関してもWindowsの拡大率は100%で運用できる。つまり、ほとんどの人が普通に使っている環境のまま、横に広い作業スペースが生まれる感じである。
ただ、このサイズになれると、さらに解像度的に広いパネルが欲しくなってくるのも事実で、今の私の場合だと横幅3,840ドット以上のモニタが欲しくなってくる。これだと38型で縦解像度が1,600ドットという、今より一回り大きいモニタになるのだが、丁度43型4Kモニタの上下を切った感じのサイズになる。
43型4Kモニタを普通に使える人であれば、その大きさはあまり困る事はないだろうが、今まで27インチのWQHDモニタ程度を使ってきた、という人がイキナリこのサイズのモニタにすると、その大きさに圧倒されるかもしれない。逆に3,440×1,440ドットの34インチモニタの場合は、そこまでの圧迫感は感じる事はないだろう。

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これが置けたなら最高の1枚

VA液晶ながら理想の形が詰まったモニタ。

4K/120Hzのモニタ

GIGABYTEから43インチディスプレイ「AORUS FV43U」が発売された。
43型で4K解像度を持ち、そのリフレッシュレートは120Hzを達成、さらに青色LEDの上に量子ドットを重ねるバックライト技術を採用してDCI-P3カバー率で97%、Adobe RGBカバー率99%の広色域を達成、さらにピーク時1,000cd/平方m(DisplayHDR 1000準拠)の高輝度まで実現しているという、超高スペック液晶モニタである。
これだけの高性能なモニタなので、店頭価格は178,200円と高めではあるが、私が理想とするリアルサイズで4K解像度が可能な43インチなので、Windowsなどを接続しても拡大率100%での運用も可能である。
搭載する映像端子はHDMI 2.1×2、DisplayPort 1.4×1、USB Type-C×1となっていて、対応リフレッシュレートは最高144Hz、Adaptive-Syncにも対応する。
理想のモニタだが現実は厳しいある意味、私が理想とする要件を全て盛り込んだものになるが、サイズがとにかく大きいのが問題。幅967.2×高さ638.16×奥行き251.31mmにもなり、重量も10kgと重量級である。
一応は200mm×200mmのVESA規格のネジ穴も装備しているので、壁掛けは出来そうだが、モニタアームによる運用は重量から考えて難しいだろう。

43インチをモニタとできるか?

PCモニタとして利用する場合、その画面全体を作業中に見る事ができるのか、というサイズ的問題が取り上げられる事が多い。
確かに作業として考えた場合、モニタの全景は確認できた方がよいのだが、デスクトップを広く使いたいという要望があるのも事実で、問題は画面との距離にあるのではないかと言える。
通常のデスクの上に置いて使用する場合、モニタまでの距離は大凡50~60センチ程度だと思うが、その距離に43インチモニタが存在する場合、43インチモニタは使いにくいかどうか、が一つの指標になる。
私は現在、3,440×1,440ドットのウルトラワイド液晶を自宅で使用しているが、横長ではあるものの距離感としては視点より50~60センチ前にこのモニタがある状況だが、少なくとも横幅でも特に問題なく使用できているし、縦幅に関してはまだ余裕があるかな、と感じている。
つまり、これよりも面積の広い4K解像度であっても、横幅は大して変わらないし、縦幅にもまだ余裕がある事から、実際に43インチモニタが目の前にあったとしても、利用する上で問題になる事はないだろうと見ている。
逆に視点から50~60センチであれば、43インチモニタは広くデスクトップが不自由なく使えると考えている。多少上下左右への視点移動は必要かも知れないが、問題視するレベルではないと思う。
ただ、これは使う人によって受ける印象が異なるので、こうした大型モニタを利用する上では自分の環境に置き換えて検討する事は重要である。
私の場合、43インチは利用しても問題がない、と考えているが、物理的には今の机の上に置くことはできない。高さが高すぎるのである。
そういう物理的なおさまりも見る必要があるので、ある意味、限られた人のみがこの恩恵を受けられる、といった感じかもしれない。

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AW3821DWという名機

現在考え得る私の最高の条件適合機。ただ…高いのが問題。

考え得る最高の性能

当Blogでは、結構頻繁に話題にする理想の液晶モニタの話だが、いろいろ考えを巡らし、今私が考え得る条件の中で最高のモニタは何か? を再び考えてみたのだが、価格を問わないという条件で考えて見ると、DELLの「AW3821DW」という結論に至った。
実はこの「AW3821DW」は、以前当Blog記事のコメントで薦められたモニタであり、当時の私も「AW3821DW」は最高のモニタだとしつつも、価格が問題という事で大々的に取り上げる事まではしなかった。
でも、紹介されたこの「AW3821DW」は、確かに私の探しているモニタの条件に、現時点で最適解を示している。
3,840×1,600ドットの解像度と、144Hzのリフレッシュレート、そしてDisplayHDR 600の対応を実現するという、確かに私の条件にほぼ合致する製品である。
今考えられる最高のモニタただ、価格がとびきり高く、DELL直販の価格で199,800円、割引価格でも162,255円と、最近のメインとすべきモニタ価格の倍以上の価格が設定されている。
もう一つ、非常に近い性能を持つモニタが「LG 38GL950G-B」というLG製のモニタがあるのだが、価格はLG製の方が少し安いものの、こちらはリフレッシュレートが175Hz、DisplayHDR 400対応と、方向性が異なる。但し、使用しているパネルは同じものだと考えられる(同じNano IPS仕様)のだが、もともとどちらの製品もリフレッシュレート120Hzにしないと10bit入力ができないので、私の場合はどちらの製品であってもリフレッシュレートは120Hzに限定してしまうと思われるので、それならばDisplayHDR 600対応のDELL製「AW3821DW」の方が、機能的には上、という事になる。

G-Sync対応だが…

DELLの「AW3821DW」は、そのハードの中に「G-Syncモジュール」が搭載されている。
この「G-Syncモジュール」だが、NVIDIA製ビデオカードで可変リフレッシュレートを可能にするユニットで、今まではこの「G-Syncモジュール」を内蔵したモニタではAMDのGPUでは可変リフレッシュレート機能である「FreeSync」は利用できなかった。
しかし、最近の「G-Syncモジュール」はそのあたりが改善されたのか、少なくとも「AW3821DW」ではAMDのGPUでも「FreeSync」として可変リフレッシュレート機能に対応するようになっている。
もっと詳しい機能的情報もあるのだが、それを説明すると難しい話になるので、ここでは割愛する。ただ、今まで私が避けてきたG-Sync対応のみのモニタであっても、この「AW3821DW」は問題なく利用出来るというところがポイントで、その影響は入力端子のDisplayPort、HDMIの両方に働く事が確認されている。
つまり「AW3821DW」であれば、NVIDIA製だろうがAMD製であろうが、その機能を全て利用する事ができる、と考えて間違いない。
今まで、G-Syncモジュールを搭載したモニタは価格が多少高くても比較的高機能で、欲しい機能に手が届いていたものの、AMD製GPUである事を理由に対象から外していたが、「AW3821DW」はそういった制限のない製品というところも高評価できるポイントである。

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希望のモニタは遠い

PS5が発売され4ヶ月が経過したが、PS5が求める品質を満たすモニタが現れたのか?

4K+HDR+120fps

PS5が発売された当初、PS5が要求する性能を持つ液晶パネルは存在しなかった。
いや、今でも完全に対応しているパネルは存在しないかもしれない。
ここ最近、これらの情報をあまり入手していなかった事もあって、調べて見ないとわからないのだが、おそらく4K+HDR+120fpsという条件を完全に満たすパネルは、未だ存在しないと思う。
これらの条件を満たすパネルは、制御する半導体の処理能力がさらに向上しない事には達成は難しい。特に解像度が大きくなればなるほどフレームレートを稼ぐのが難しく、またHDRになれば色情報も増えるので、液晶パネル内のデータ転送速度にも影響が出る。
そうした事から、これらの条件を満たすパネルは、仮に存在していてもまだ価格的に手に届きやすいものではなく、実際問題としては製品として成立していないだろうと予想する。
なので、現時点で液晶パネルを購入する場合、基準をPS5ではなく、他のものに置き換えて、何を求めるかを決める事で、購入する液晶モニタが決まってくる。
PCの場合、昨今では1440pで高フレームレートというのが一つのトレンドになっている。
GeForce 3070系にしてもそうだし、Radeon RX 6700系にしても、4Kを対象にしておらず、その下の解像度を対象としている。
PS5は、この1440pという解像度そのものが未対応なので、4Kの下となると1080pという事になるわけだが、残念ながら今の普及価格帯にある製品は1440pをターゲットにしていると言わざるを得ない。
ちなみにPS4 Proは1440p環境でも表示する事は可能である。ゲームタイトルにも寄るのかも知れないが、少なくともPS4版のFF14は1440pという解像度を認識したし、表示もできた。
PS5はハイエンドなのは良いが、汎用性に欠けるというのは残念極まりないところである。

34WN780-B

そんな中、昨年末にLGから「34WN780-B」というモニタが発売された。
パネルはIPSで、リフレッシュレートは48~75Hzと高リフレッシュレートではないのだが、HDR10に対応し、3440×1440ドットという解像度を実現したウルトラワイドモニタである。
バランスの取れた製品かも特徴的なのは、スタンドが付属するのではなく、モニターアームが付属する事で、机などに固定してアームで位置を変更したりする事ができるモニタになっている。
ハードウェア的にはFreeSyncに対応し、輝度は300cd/平方m、sRGB99%、34インチの21:9というパネルを持つ事だが、これだけの性能を持っていて価格が65,000円程度と抑えられているところがポイントである。
良いモニタになると10万円の上を狙う必要がある場合もあるが、そこまで予算はかけられない、だけどそこそこの表示品質は欲しい、という人には最適な製品の一つと言えるかも知れない。
DELLなどにもモニタはあるが…極端なまでに高性能かつ高価格という製品か、事務レベル品質かつ低価格という製品構成で、両極端なのが問題である。
特に、ウルトラワイド液晶は一度使うとその便利さは病みつきになるので、34WN780-Bは私的にはオススメできる製品と言える。

LGジャパン 製品情報
https://www.lg.com/jp/monitor/lg-34wn780-b

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4K120Hz対応機

PS5やXbox SX等に対応できるテレビやモニタが今年は増える?

Acerから3機種

台湾Acerから、ゲーミングディスプレイ3製品が発表された。

Acer ニュースリリース
https://j.mp/3ovlPaD

中国では3月から、北米・欧州では5月から発売されるよう、日本ではまだ流通するかは不明だが、何れ販売が開始される事になるだろう。
1機種目「Nitro XV282K KV」は、28インチのHDMI 2.1を装備する4Kゲーミング液晶で北米価格は899.99ドルとされている。4Kでありながら144Hzという高リフレッシュレートを実現し、DisplayHDR400に対応する。他にもAMD FreeSync Premium テクノロジーに対応し、Acerの新しい「Agile-Splendor IPS技術」つかったAcer VisionCare 3.0を搭載して「TÜV Rheinland Eyesafe認証」を取得している。4K120Hzモニタとしては28型というサイズをどう見るかで評価は分かれるが、性能的にはようやくPS5の世代に追いついたという感じの製品である。
本命モニタは今後まだまだ出てくるかも2機種目「Predator XB323QK NV」は、G-SYNC Compatible認証を取得した31.5型4Kゲーミング液晶で、北米価格は1,199.99ドルとされている。同様に4K/144Hz駆動に対応する製品で、Agile-Splendor IPSパネルを採用し、DisplayHDR 400もサポートする。環境光に応じた明るさ調整や色温度調整などを自動で行なうAcer VisionCare 4.0を搭載した事でTÜV RheinlandのEyesafe認定も取得している。
31.5型という事で、PCのように目の前において使用する上では最大級のサイズレベルである。前述の「Nitro XV282K KV」は28インチだったので、それよりも大きなサイズとなれば「Predator XB323QK NV」が対象となるだろう。
3機種目「Predator XB273U NX」は、27インチのWQHD(2,560×1,440ドット)液晶のゲーミングディスプレイになる。北米価格は1,099.99ドルになる。
前2機種と同様にAgile-Splendor IPSパネルを採用し、オーバークロック時で最大275Hzのリフレッシュレートに対応し、中間応答速度は0.5msに達する。「NVIDIA G-Sync」にも対応し、おそらくDisplayHDR400に対応する。曖昧な表現になっているのは、プレスリリースに記載がないからだが、色域としてDCI-P3スペクトルの95%をカバーしており、前2機種よりもカバー確率が高い(前機種はDCI-P3スペクトルの05%をカバー)ので、おそらく、とした。
PCで利用する上では、ビデオカードの性能でリフレッシュレートを最優先に考えた時はどうしても解像度はWQHDサイズになる事が多いので、PC利用であれば本製品が一番マッチするかもしれない。

今年は豊作になるか?

PS5やXbox SXが発売され、いざそれらに対応したテレビやモニタはどうなのか? と見てみたら、現時点で対応している製品があまりにも少ない、という事が昨年は明確になってしまった。
テレビで言えば、現在まででも完全に対応しているのはLG製品のみで、日本国内の製品ではまだ完全対応したテレビは存在しない。
PCモニタにしても、昨年まではほぼ存在していないというのが事実で、今回のAcerからの発表でようやく対応製品が出てきたという感じである。
どう考えてもPS5やXbox SXが先行しすぎた感じであるが、これらの製品がテレビやモニタ業界を刺激した事は間違いない。今後はHDMI2.1対応の製品が続々と登場するだろう。
ここでふと気づいた人もいるかもしれないが、PS5やXbox SXよりもPCのGPUの方が性能が低いわけではない。PCのビデオカードの方が演算性能は上なのだが、問題は画面出力という性能部分だけで言えばPS5やXbox SXは4K120Hzに対応している、というだけの事である。PCに搭載する外付けGPUでも4K120Hzでの出力は可能だが、その表示すべきオブジェクトの細かさ、多さなどはPS5やXbox SXよりは圧倒的に多く、質は高いと言える。汎用性ではPC製品の方が圧倒的だが、PCとテレビを接続している人は極端に少なく、映像主体で映すテレビとテキストなども含めて表示するモニタとの違いもあって、PCモニタとテレビではその製品群そのものが異なるとするケースも多い。
それ故、両者とも「映すデバイス」ではあるものの、足並みが中々揃わない部分がある。
気づいている人も多いと思うが、テレビでDisplayPortを搭載している製品はほぼない。逆にPCモニタにはHDMIポートを搭載している製品も多いが、ほぼDisplayPortを搭載している。この違いは、HDMIという規格がデジタル家電メーカー向けのインターフェースで、DisplayPortはPCの標準化団体であるVESAによって策定された規格なので、PCモニタにはほぼDisplayPortが搭載されている。この両規格の違いは主とした目的が異なるところから派生している。
昔はアナログ信号だったので、この両者には明確に違いがあったのだが、デジタル信号に変わった事で性能敵差異がほぼなくなって締まったのが、混乱を招く一因になっているように思う。
一般的にはDisplayPortの方がHDMIでは想定していない超高解像度での利用を視野に入れた規格とされる。目的は特定のビジネス用途であり、それは医療分野やCADなどでの利用である。

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DQHDのQLED曲面モニタ

5,120×1,440ドットのゲーミングモニタ。

Odyssey G9

Samsung Electronicsが、49型QLED曲面ゲーミングディスプレイ「Odyssey G9」を今月6月よりグローバル展開すると発表した。
この「Odyssey G9」は、今年初めに行われたCES 2020にて発表された製品で、当初は2020年末頃に発売予定としていた製品である。
見よ、この曲率を…QLED、つまり量子ドットLEDバックライト技術を採用する歪曲率1,000Rの液晶パネルを採用しており、その解像度はDQHD(Dual Quad High-Definition:5,120×1,440ドット)という、32:9のモニタになる。
リフレッシュレート240Hz、中間色1msの高リフレッシュレートをサポートし、最大1,000cd/平方mの高輝度HDR表示も可能という、あらゆる理想が実現するモニタと言える。これだけの高リフレッシュレートを実現しているので、FreeSync Premium Pro、G-SYNC Compatibleもサポートする。ゲーミングディスプレイと銘打っているだけの事はある。
この高性能パネルは駆動方式はVAで、色数は10億7千万色、コントラスト比2,500:1、基本輝度420cd/平方m、sRGBカバー率125%、AdobeRGBカバー率92%と、かなり私の理想に近い性能を持っている。
インターフェースは、DisplayPort1.4、HDMI2.0、USB3.0 Hub(ダウンストリーム×2)、ヘッドフォン端子で、それぞれがいくつあるのかはまだ不明である。
置き場所さえあれば実に欲しいと思える製品なのだが、現時点ではその価格もまだ不明で謎の多い製品である。

LG製品の対抗馬は?

これだけの高性能パネルとなると、製造できるメーカーは限られるわけだが、個人的にはライバルとなるであろうLG Electronicsでも製造可能なのではないかと考える。
横長ディスプレイは、一般的なディスプレイからすると需要は高くはないが、最近はゲーミング用途を中心に横長モニタが注目されているところはある。
というのも、縦にある程度の長さがあるよりも、横に長さがある方が臨場感を出せるという事と、単純に視野角が広がる事から、同じゲームをプレイしていても没入感が全く違うと言える。
また、クリエイティブな用途でも、横長にする事でいろいろな画面を横並びにして表示できるので、作業効率が上がる。4Kモニタよりも実は単純に横長の方がいい、という人もいるぐらいである。
そうした需要に応える製品を開発するかどうかにもよるが、ぜひLGにも対抗製品を開発してもらいたいところである。
ただ…たしかLG Electronicsも、CES 2020で横長モニタをいくつか展示していたハズなので、近々そういった製品の発売があるのではないかと思うが、現時点では「34GN850-B」という34型の3,440×1,440ドットのモニタを発売したのみで、そこから次のアクションがない。

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