空飛ぶチョロQ

 私が初めてチョロQなるものを見たとき、それはまだゼンマイ式の動力を内蔵したものだった。
 車の姿をしたソレを後ろに引っ張りゼンマイを巻いて、手を離す。
 たったそれだけの動作でチョロQはビュンと走り出し、ゼンマイが巻き戻っても惰性で走る。アライメントが狂っていればチョロQは蛇行して走るが、むしろまっすぐ走るチョロQは珍しかった。
 さらにサイズの小さくなったミニも販売されたが、そこから大きく進化したチョロQは2000年以降の登場だった。
 中にケータイ電話用の超小型モーターを内蔵し、赤外線で無線操作できるQ-STEER(キューステア)という製品で、この辺りから類似品が多発されはじめた。
 オリジナルのチョロQはスタンダードチョロQとその名称を変化させ、その後いろんなバリエーションへと分化していく。
 モーターを内蔵して走り続けるモーターチョロQなんてのもその一つである。
 だがQ-STEER以降、さらに大きく進化したチョロQはおそらく今回のものだろうと思う。
 その名はヘリQ…空飛ぶチョロQである。
ヘリQ 公式サイト
http://www.takaratomy.co.jp/products/heli-q/


 ヘリQはその名の通りヘリコプターのチョロQである。
 何がスゴイかというとそれはもう空を飛ぶという事に尽きる。
 ヘリのラジコンや飛行機のラジコンなんていう空飛ぶ無線操作のおもちゃは存在はしていたものの、それらは価格も高く、その敷居も相当に高い。
 しかしこのヘリQは、価格は3,465円と手の届く価格であり、それでいて室内でも遊べるという、実に敷居の低いおもちゃだ。
 NDSやPSPのゲームとは違い、実際に手に取れる存在が空をリアルに飛ぶというその姿は、おそらくゲームでしか遊ばない子供には相当なリアリティと衝撃を与えるに違いない。
 コントローラは画期的なデザインで、片手で操作する。
 コントロールレバーを上に倒すとローターの回転数が速くなり上昇する。
 反対に下に倒すとローターの回転数が遅くなり下降する。
 コントロールレバーを上に押しながら右に倒すと右旋回し、上に押しながら左に倒すと左旋回する。
 基本動作はこれだけ。
 あとはオートで右旋回したり左旋回したりするトリムボタンというものがあるが、自分の意思で操作する場合は前述の操作のみで問題ない。
 とまぁ、確かに説明すれば操作は簡単なのだが、実際に操作するとそうでもないらしい。
 簡単に言えば、操作を相当ゆっくりしないと挙動が激しく上昇したり下降したりする。
 このあたりは赤外線動作のQ-STEERやその類似品と同じ。モノが小さいだけにハンドル操作はゆっくり行うのが基本という事だろう。
 ラジコンと違い、人や物に危害を与える可能性がない(低い)ため、保険に入るなんて事も不要。そもそも室内用だから無関係と言ったところか。
 外で飛ばすと…おそらく風の影響でまともに飛ばないんじゃないかと思う。
 そういう部分でもかなり敷居は低い。
 ちょっと前に飛行船の似たようなおもちゃがあったが、ソレよりもActiveに操作できるものだし、おもしろみもあると思う。
 こういうリアルに動くものに興味のある人は、ぜひやってみてもらいたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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