次世代VRシステム

PlayStation Blogに公開された事実として、PS5向けのVRシステムが開発中らしい。

PSVRとは何だったのか?

昨日、PlayStation Blogにて、ニー・インタラクティブエンタテインメント シニアバイスプレジデントの西野氏がPS5向けの新しいVRシステムの開発を進めている事が発表された。

PlayStation Blog
https://blog.ja.playstation.com/2021/02/23/20210223-ps/

今まで以上の没入感、とセンシビリティを兼ね添えた次世代VRシステムという事だが、とりあえず2021年中の発売はない、としている。
PS5本体の普及も現時点でままならない状況で、話題性に乏しい時期だから、こういった新情報を投下した、という可能性もあるかもしれないが、開発中であるという事実は事実として今後に期待はしたいと思う。
これで解像度が高ければ文句ナシただ…私はどうしても今までのPSVRとは何だったのか? という事を感じずにはいられない。
PS4でもまだまだ出来たのではないか? という思いもあるし、VRを活用する土壌がまだ整っていないように思えてならないのである。
企画側や開発側がもっとVRを上手く活用する方法を見出さない限り、どのような次世代VRシステムを登場させても、結局はうまく活用できなくて終わるという状況になりそうで、今あるVRそのものをもっと考える必要があるように思えるのである。

エースコンバットVR

私はPS4版のエースコンバットのVR対応はその中でもとびきり成功した方だと思っている。
PSVRの対応ソフトで、あそこまでVRの良さを引き出した作品は他にないように思える。
それは、特別変わった使い方をしていたわけではなく、単純に戦闘機の中にいるような視点でヘッドマウントディスプレイを使っていただけだが、確実にプレイヤーへ没入感を与えていたし、体験した人であれをダメだと言った人を私はしらない。

にもかかわらず、その後、VR完全対応タイトルとしてエースコンバットは登場しなかったし、同じような方向性を持った作品は出てこなかった。
それは、解像度が足りなかったからか? それとも処理能力的に足りなかったからなのか?
いや、もし処理能力が足りなかったとしたならば、エースコンバットはどうだったのか? という事になる。だから処理能力が足りなかった、というのは、正しい答えにはならないと思う。
何が足りなかったのか?
私は、メーカーすら、その答えにまだたどり着いていないのではないかと思えてならない。

雰囲気優先

昔、セガサターンに「機動戦士ガンダム 戦慄のブルー」という作品があった。
このゲーム、サターンでフルポリゴンの3Dメカアクションという、今にして考えても結構無謀なタイトルだったのだが、このゲームは爆発的人気作となった。
画面はポリゴンを使っているとはいえ、スカスカのポリゴンで動いていて、解像度も相当に粗い。だが…動きがものすごく良かったのである。
その時、セガ側は「雰囲気最優先」で制作した、という事だった。つまり、動きを最優先で処理する為、画像の粗さを受け入れて、とにかくアクションに注力した作品だったわけである。
これはある意味大成功だったわけで、私は激しく画面が動くタイトルは、多少解像度が低くてもユーザーには受け入れられると思っている。
もちろん、昨今はハード性能が高いので、解像度が粗い作品は叩かれる可能性もある。だが、それを上回る動きを実現し、とにかく面白いと感じる事ができるなら、そのタイトルはゲームとして成功ではなかろうか?
PSVRは、その解像度が問題視される事が多いように思う。そもそも、PSVRの画像処理をするには、PS4 Proでも若干能力不足は否めないのかも知れない。
であるなら、そこにある一定の妥協を持たせ、とにかく雰囲気最優先でメカアクションなどを出せば、人気作になったのではないか? と思う。
この話を聞いて、イマドキじゃない、なんていう人もいるかもしれないが、よく考えて欲しいのは、今結構な割合でレトロゲームが流行ったりする傾向がある、という事。
それは、単に表現力だけを追い求めてきたイマドキのゲームの落とし穴であって、想像力からくる面白さを刺激できていないからではないかと私は思っている。
VRシステムのリアルさは、見た目の表現力ではなく、そこに存在するだろうと思わせる存在感だと思う。そこを刺激するディレクションが出来たなら、私はそこからが本当のVR体験の始まりだと思う。

というわけで、とりあえずPS5用の次世代VRの登場はほぼ確実の話となった。
ただ…問題はそれ以前にあって、PS5をもっと普及させる事である。
次世代VRはネタがないから投下した話なのかもしれないが、話題を繫ぐだけではダメだと思う…。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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