気になるGPU価格

メインPCの更新を諦めたのは、GPUの価格高騰がもっとも大きな理由。

需要と供給のバランス崩壊

当Blogでも、1年半くらいずっとGPU価格が異常だと言い続けてきた。
何故この話題を出していたかと言えば、私のメインPC更新の大きな障害だったからだ。
もちろん、メインPCを更新できなかった理由は他にもある。タイミング的に他に予算を投入しないといけない状態だったり、IntelとAMDのCPU比較において、自分の中で明確な答えが出せずにいた、という事も理由になるだろう。
だが、圧倒的なまでに障害となっていたのは、GPU価格の高騰である。
ハイエンドの価格基準が変わったかハイエンドクラスのGPUの価格が、例年の2倍以上の価格で販売され、しかも品薄だからその価格になっていた事に便乗したのか、メーカー側の設定価格もいつの間にか2倍以上の価格になってしまった。
もちろん、ハイエンドクラスのGPUの製造コストが上昇している理由もあるだろう。部材価格が高くなったというより、ハイエンドクラスの半導体製造における難易度の高さからくる歩留りの問題、露光装置そのものの価格上昇に伴うコストアップなども理由だろう。
だが、それでも2倍以上の価格になるという事は通常ありえない。
明らかに、この2倍以上の価格になっているのは、メーカーが世の中の情勢を見て価格設定した理由が含まれていると思う。
高く設定しても売れるからその価格にする…商売の鉄則なので、これに反対しても意味はないという事はわかっているが、この1年半、GPU価格の高騰に拒否反応を示した自作PCファンは少なくはないと思う。

落ち着いてきた?

そんな高騰を続けてきたGPUの価格だが、実売価格が下がりはじめている、という情報もある。

IT Media News
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/25/news126.html

まだ日本国内の話ではなく、米国やドイツでの話のようだが、小売価格において、NVIDIA、AMD両メーカーのほぼ全ての新品製品で価格の下落を確認したという。
ただ、2倍だった価格が元に戻ったとかそう言うのではなく、まだ10%も下がっていない段階での話だし、そもそも小売価格が下がったというだけで、メーカーが設定している価格が下がったわけではない。
それに、懸念すべきはグラフィックカード全体の販売量も減少しているという。なので、需要と供給のバランスが整った事で価格が下がりはじめたわけではなく、別に要因がありそうである。
どうも、暗号通貨の相場が急落しているようで、それによってマイニング業者が大量のグラフィックスカードを手放したのではないか? という可能性もありそうである。
ドイツの小売店での「RX 6000」シリーズと「RTX 30」シリーズの価格推移は同記事によるとこんな感じ。
これを見ると…今下落したといっても、まだまだ高値が続いているという事を裏付けるだけのようにも思えるし、素人からすれば一時的に今下落しただけでは?とも思えてくる。
ただ、GPUメーカーとしては、2022年後半に供給が改善すると予測している事を繰り返し表明しているという。
ホントにそうなのだろうか?

Windows11は起爆剤にならなかった

この問題を深掘りするためには、PC業界全体の動きとしても少し押さえておく必要がある。
通常、新OSが登場するとPCの販売台数は増える傾向にあるというが、残念ながらWindows11はそうした起爆剤にはならなかった、という報道がある。

PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1382754.html

国内のPC出荷において、12月は過去最低の実績だったという。
12月単月の出荷台数は、前年同月比54.5%減の73万3,000台と2007年度以降、12月としては過去最低だったという。
Windows11のリリースは10月5日だったので、12月はWindows11の影響で通常より売れても良かったと考えるのが本来は正しい。にもかかわらず、この結果だったとなると、Windows11が起爆剤としての役目を果たせていない、という事になる。
コロナ禍であるため、リモート業務から需要が高まったここ1~2年を考えると、純炭にPCが行き渡った、と考えるべきか、仮にそうだったとしても新OSの影響が全く響いていないと考えるべきか?
この辺りはなかなか判断が難しい話ではあるが、結果としてこの数字であった事は事実である。
この話題と、GPUの供給とは関係がない、と考える事もできるが、需要が一巡して落ち着いた、という仮想通貨需要を除く需要に関しては、無関係とは言い難い。

メインPCをいつ組立てる?

というわけで、私のメインPCの話である。
2022年には組みたいと思っていたのだが、今の流れだとGPUの価格はまだまだ不透明である。
また、時期が怪しいのがAMDの動きである。Zen4の登場が2023年に行きそうな、そんな雰囲気が見えてきた。
2022年末くらいに登場したとしても、出回る時期を考えると来年に突入しそうな気もする。となると、私が購入するとしたら2023年になってしまうのではないか? なんて思えてくる。別にZen4に決めたわけではない。ただ、Zen4の実態が見えないと、判断できないところがある。
Intelは、第12世代のAlder Lakeで一つの大きなジャンプステップを見せた。ただ、現時点ではまだ省電力性で問題が残っている。Zen4がこのAlder Lakeに対して明確な対応策を見せていない今、それを確認してから考えたいという気持ちもある。
というわけで、GPUの動向を見る意味も含めて、とりあえず2022年末頃の動向を確認してから本格的に検討に入ろうかと思っている。
結局、また1年伸ばしになったという事である。これで現環境は確実に5年以上使用する事になる。

その前に小型PCを組む…という選択もあるが、そもそもハードをそこまで増やす意味もない、とiPad Proを購入してから考えるようになった。
普通にやりたいことはiPad Proで賄えてしまう事に気づいた今、Windows PCは特定の用途に使う方向になるだろう。
とにかく、GPUが以前のような価格帯に落ちてくるといいなぁ…。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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