iPhone12シリーズ

Appleが遂に新型iPhoneが発表された。全部で4機種発売されるが大きさと機能は3つに分けられるという変則的な展開である。

違いの中心はカメラ

iPhone12は、噂通りA14 Bionicを搭載したものとなった。
大別すると通常のiPhone12とProの2シリーズに分けられ、iPhone12はminiと通常版の2モデル、ProはiPhone12ProとiPhone12Pro Maxの2モデルに分けられる。
ついにiPhone12が発表されたiPhone12はminiと通常版は、純粋に大きさと解像度のみが異なり、iPhone12ProとiPhone12Pro Maxは大きさと解像度以外にカメラに違いがある。
ではiPhone12とiPhone12Proの違いは何かというと、カラーモデルの違い、ストレージ512GBモデルの有無と超広角カメラの有無の違い、LiDAR測距センサーの有無である。
なので、この違いを念頭に入れた上で、Pro版を選択するか決める事になる。
個人的にはLiDAR測距センサーの有無と超広角カメラの有無は違いがあるとは言えるが、その他はほぼ差はないと感じる。
ただ、これがiPhone12とiPhone12Pro Maxとの違いだと、さらに広角カメラにセンサーシフト光学式手ぶれ補正の有無が加わるので、カメラに拘りたい人はこの差にも注意が必要である。

デザイン変更

中身的にはこのような違いしかないiPhone12シリーズだが、ほとんどの人はデザインに目が行くと思う。
今回は側面が丸くなった原状機種と異なり、以前のような角張ったデザインに先祖返りしたと言える。
ただ、以前よりも薄くなっているので、重量も軽くなったりと変化は見た目以上に大きい。
個人的にはこの角張ったデザインは好きではあるが、iPhone4以降の角張ったデザインの時よりも安っぽく見える感じがしてならない。
カメラがデュアル、トリプルと以前より増えているので、デザインバランスが大きく変わっているのはわかるが、見た目に高級感が感じられないというのは、個人的にはどうかと思う。
…ま、感覚的なものだけれど。
たた、これは良かったとおもうのが、ディスプレイ部に採用された「Ceramic Shield」である。落下時の衝撃耐性が4倍に向上した事で、画面割れを抑制できるというのは喜ばしい。助かる人も多いのではないかと思う。
また、IP68準拠の防沫/耐水/防塵性能も備えているので、水深6mで最大30分間耐えることができるというのも、水没を防ぐ意味では有効な性能と言える。

MagSafe

今回のiPhone12で、Qiによる無線充電仕様が多少変更されている。
MagSafeという名称でワイヤレス充電技術を搭載しているのだが、これは以前Macの電源コードでも使用されていた名称で、磁力によってケーブルを接続する規格で使われていた。
iPhone12のMagSafeは、iPhone12にマグネットによって各種アタッチメントを装着し、15w出力の充電を実施する。磁力によって吸着させる事で、狙った位置に充電モジュールを合せる事ができるので、より効率良く充電できると言える。また、アタッチメントによってApple Watchと同時に充電出来たりもするので、Qiを使っても上手く充電できない、という事はほとんどなくなったと言えるかもしれない。
どちらにしても、AppleとしてQiに対する一つの方向性を打ち出した、という事ではないかと思う。

もっとも気になる5G対応

今回のiPhone12において、私が気にしていたのは5G対応である。
一応、5Gには対応している、とは言えるが、内容を見るとsub6のみの対応でミリ波には対応していないというのが、日本国内仕様だという。
海外ではミリ波も対応したモデルになるという事だから、明らかに国内事情による差別化と言えるが、どのみちsub6であっても日本国内ではまだまだ5G対応は遅れているので、この仕様でも大きな問題にはならないと言える。
5Gという通信そのものの知識がないと、このsub6とミリ波の違い等がわからないと思うが、5Gの本当の実力を発揮しようと思ったなら、ミリ波による通信ができないとその実力は発揮できない。sub6は大凡6GHz帯を利用する通信で、今までの4G LTEの延長上にあると考えれば良い。
ミリ波は、それよりもずっと周波数帯が高く、30~300GHzという周波数帯になる。周波数が高ければ高いほど帯域幅が広くなるので大量のデータ通信が可能になるが、問題は周波数が高くなればなるほど電波の届く距離が短くなるというデメリットがある。
なのでミリ波を扱えるようにする為には、今よりずっと多いアンテナ数を確保する必要があり、回線事業者はこの対応に苦慮しているのである。
今回の国内版iPhone12は、sub6には対応するもののミリ波には対応しないので、日本国内でミリ波通信ができるようになった際にミリ波通信ができないものになる。
その頃には新しいiPhoneが登場しているだろうから、あまり気にする必要は無いが、iPhone12を4年以上使用する事を前提に考えている人は、ひょっとしたら4年後以降にちょっと残念な思いをするかもしれない。
…私の予想では4年後にミリ波通信ができるようになっているとはとても思えないが。

という事で、とりあえずiPhone12が発表された。予想通りmini版が発売され、iPhone SE2よりも小さな端末が登場することとなった。
この小さな筐体にはとても興味はあるが、iPhone Xを利用する私としては最低でももう1年は現状維持かな、と思っている。
次、もしくはその次の世代のiPhoneに、更なる期待をしたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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