SCEと今後のゲームビジネス

SCEが“新型ゲーム機”の評価スタッフを募集しているという。
内容はというと“未発表のゲーム機または既発売ゲーム機の新型”でゲームをプレイし、動作をチェックする仕事になる。
新型ゲーム機は“プレイステーション”シリーズやPSPの新型機、未発表のゲーム機・周辺機器らしい。
募集人員はというと、新型ゲーム機でPSシリーズのソフトをプレイし、動作チェックを行うアルバイトスタッフ、要するにデバッグスタッフという事で、開発中のゲーム機本体やPS3の新機能、新しい周辺機器などを発売前にプレイできるそうである。応募締め切りは3月2日。
この報道に敏感に反応する人は、おそらくPS3ユーザーである。
本体の普及が鈍化している為ソフトの供給も地味であり、そこにきて新型投入となると、気にならないワケがない。
ここで昨年夏前にSCE社長がコメントした「我々はプレイステーションというフォーマットで戦う」という言葉がよぎる。
PS3をココで見限る事はないと思うが、グループとして業績悪化しているSCEも何か大きな手を打たねばならない時期に来ているのかもしれない。
SCEは今後のゲームビジネスをどう考えているのか?
その一つの答えが昨日発売になったPSP版アイドルマスターSPに見えてくるような気がする。


本日、我が家にアイドルマスターSPが届いた。
購入したのは3種あるウチの一つ、パーフェクトサン。
登場キャラは天海春香、菊地 真、そして高槻やよいの3キャラである。
雪歩ファンとして失格の一本だ(爆)
雪歩ファンとしての本来の姿であれば、ワンダリングスターはまず視野に入れるべきところだが、雪歩と組み合わされた他2キャラが私的にデッドエンドだった orz
釘宮病患者なら私も迷う事はなかったかもしれないが…。
このアイドルマスターSPの発売とほぼ同時に、第一弾のDLC(ダウンロードコンテンツ)が配信された。
これは追加アイテムや追加コンテンツを有料にて配信するというサービスで、PC版のオンラインゲームソフトではそう珍しい事ではない。
バンダイナムコはXBox版コンバットエースシリーズとアイドルマスターシリーズでこのDLC配信によってコンテンツの継続に成功しており、今回のPSP版はこの配信がまずありきで展開されている(たぶん)。
通常のコンシューマ機のゲームソフトでは、発売したソフトの売り上げでタイトルのすべてが決まってしまう。これがPC版のオンラインゲームの場合は月額課金やアイテムデータ販売で長期にわたって売り上げが変わってくるのだが、コンシューマ機のゲームソフトはその方向に進むのが難しかった。
これがXBox360やPS3の場合、もともとオンラインに接続する事を想定しているという事もあって、DLCの展開がしやすかった。
バンダイナムコはそこに上手く入り込んだ形である。珍しい事をしたワケではない。
で、PSPも去年にPlayStation Storeと接続する術が確立し、今回のDLC配信に繋がっている。
このDLC配信によってアイドルマスターという作品の寿命は格段に延びていると私は見る。
実際、PC版スカッとゴルフ パンヤ!は、間違いなくこの追加アイテム配信販売で長寿ソフトになっている。
購入しなくても遊べるが、購入すればもっと楽しくなる…というこの追加アイテム販売は、間違いなくコレクター魂に火を付けるだろうし、ソフトを高評価している人にウケがいい。
もっとも、本体のソフトのデキが悪ければマイナスに働く要素でもあるが、キャラクタービジネスにもつなげられれば、ゲーム本体の深みを増す事もできる追加データへの展開もできるわけで、手法そのものはパッケージ販売だけをやっていた頃から比べてフレキシブルである。
世代にもよるが、今の20代くらいの世代になれば、データのみの販売でも受け付ける体質であり、そういった所に訴求していく展開でバンダイナムコは新しい道を見つけたと言える。
おそらく、SCEもそうした方向に進んでいるハズである。
今後のゲームビジネスを考えていく上で、普通にパッケージ売りだけをしていて言い訳がなく、そういう次の展開を視野に入れて新型機を投入するのだろうと思う。
今すぐどうなるか、なんて事はないハズだ。
PS3はまだコストを下げられる余裕はあるだろうし(厳しいとは思うが)、PS4を投入するには早すぎる。そのあたりはまだ安心できるだろう。
と、私が知っている(というかネットで見つけた)情報によると、実のところ、もう方針としてPS4がどのような方向に向かっていくのかという事は既に予測されている。
PS3はPS2からのハードウェア性能で劇的進化をした。これはPSからPS2に移行したときもそうだった。
だが、今回のPS3はそのハードウェアスペックに対してソフトが着いてこれないという現象が起きてしまった。
並列化処理という、PS2の時も多少は関連していたかもしれない技術だが、これはPC業界と全く同じ展開である。
ただ、PC業界と決定的に違うというのは、Microsoftが提供するWindowsプラットフォームに対してPS3のプラットフォームは規模が決定的に小さいという事であり、並列化処理のソフトウェア対応がPC業界より遅い事は間違いがない。
そういう事情の中でPS3ソフトを開発しなければならないという状況が、参入企業を減らしてしまっていて、PS3は厳しい展開を強いられている。
良作ソフトが発売されなければ本体の普及にも繋がらないワケであり、これは悪しきスパイラルとなっている。
それを打破するには、PS4もPS3と同じプラットフォームで展開するしかない。つまり、PS4はPS3に対して劇的進化をさせず、スペック強化にとどめて展開するという事が予測されるわけである。
しかもPS3はXBox360に対して1年近く発売が遅れたため、普及台数の差を埋めるのに苦労している。
SCEはPS4をより早く発売し、開発環境整備もPS3から引き続いた形を取るだろうというのである。
それにネットで見つけた情報によると強化されるスペックにしても性能比で2倍~4倍くらいでないか?という話(だったと思う)で、完全に互換性が取れた形にする(というか中身的に互換性が取れるはず)だろうというのである。
この予測はかなり理にかなっている。
この予測が正しければPS4は2010年くらいには現実味を帯びてくるだろうし、発売も2011年ぐらいになるだろう。
PS3は残念ながらPS2ほど熟成する前に新型機を迎え入れる可能性が高いのである。
ただし、これはあくまでも予想であり、世界情勢によって変化する可能性もある話。
ホントかどうかはSCEしか知らない話である。
何はともあれ、データ配信ビジネスが今後のゲームビジネスの中心に向かっていく可能性は高い。
SCEにおいてはその橋頭堡としてアイドルマスターシリーズが名乗りを上げたワケだ。
価格的には100~200円、高いもので1,000円というのもあるが、この価格設定を決めるのはおそらくユーザーだ。
個人的には追加の服は500円くらいだと助かるのだが…ってもう買う気あるって事かよ、私 orz

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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3 Responses

  1. ruser より:

    私は病気じゃない!
    …東洋医学で言う未病…orz

  2. ruser より:

    当然キャラ固定でフルコンプでしょ?
    アイテム課金はコレクター魂に火を付けるってのは身を持って知っているので、好きなら買うでしょ!
    えぇ、そりゃもう間違いなくw
    私はどんな罵倒が来るのか気になるのでメール位は買ってみるかな。
    あとは買っても曲位かも。
    …耳が痛くなるけどw

  3. 武上 より:

    キャラ固定でフルコンプ…で済む人はそれでもいいかもしれないけれど、こういうゲームで財力に物を言わせ完全コンプリートしようとする人がいるのもまた事実。
    それを趣味趣向と考えればいいのかもしれないが、商売として本当に正しいのかというところは業界として考えないといけないような気がします。
    まぁ、アイドルマスターに限らない話なんですけどね。
    こういうビジネスで大成してしまうと、ゲーム本来の品質に目を向け続ける事が難しくなります。
    大手メーカーなら陥らなくても、ポッと出のメーカーだとこの悪魔の誘いに陥る可能性がかなり高く、ゲームメーカーがいつの間にかキャラクターメーカーになってしまうのが問題です。
    ゲームメーカーはゲームの本質を見誤らないようにして欲しい…というのが私の願いです。

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