考え方次第では便利なPCケース

  新PCが欲しいっ!
 というのはいつもの事で、それが到底叶わぬ夢だという事もわかっている。
 だが、願望がある限り、次の新PCのスタイルを妄想してしまうのは止められない。
 昔、なんちゃってパワーユーザーだった為、新PC構想を止める事の方が難しく、暇さえあると「こんなPCもいいなぁ」等、考えていたりする。
 私がPCの構成を考える時、一番最初に考えるのがまずCPUコアをIntelにするか、AMDにするかという事なのだが、実の所これが決まってしまうとその後に付いてくるパーツは流れ的に決まってしまったりする。
 使用するビデオカードの選択肢も思ったほど広くなく、あとはグレードの問題だけで済んでしまう。
 ましてメモリ搭載量やHDDの構成などは考えるまでもなく、これも予算に合わせて搭載数が変わるぐらいで、こんなのは考えていても面白くも何ともない。
 これじゃ妄想してもすぐ完結してしまう…のだが、実は最近の妄想試行錯誤はプラットフォームをどうするかとかそういう事ではなくなってきている。
 じゃあ何を試行錯誤的思考にハマっているのか? というと、最近は電源容量とケースの在り方をよく考えているのである。
 一昔前、Pentium4が爆熱を発していた頃、世間では水冷が一つのトレンドになったが、空冷にする場合はいかにPCケースを工夫するかという事がよく行われていた。
 その影響…だけではないが、ケース全体の熱伝導が良くなるように、今の私のPCはオールアルミケースで構成されており、GPU冷却用に側面に角度付きでファンを搭載させていたりする。
 だが、そうしたケースの在り方を根底から覆すケースというものが存在する。

 そもそも「ケースという体裁を採っていない」ケースである。


  このPCケース、冗談でもなくホントに発売されるケースで、Cooler Masterから発売されるオープンエアー型のATXケース“Test Bench V1.0”である。
 実はこのようなケースは今回が初めて発売されるものではない。
 Antecというメーカーからは、もうちょっと豪華なオープンエアー型のケース“Skeleton”が発売されている。
 また、古くから自作PCユーザーの間ではアクリル板を利用したものも存在する。これは単純にアクリル板にATXマザーボードの固定ビス位置にドリルで穴を開け、そこにボルト締めする事でマザーボードを固定するという、実に簡素なもの。このアクリル板を利用するパターンは、impressでもおなじみの改造バカこと高橋敏也氏の十八番でもある。
 このような簡素なPCケースの利点とは一体何か?
 考えればすぐ分かると思うが、利点とはすなわち「パーツの取り外しが楽になる」という事である。
 パワーユーザーはパーツを頻繁に交換する事が多く、またオーバークロックなどを行ったりする場合、相性の合う合わないなども関連する事から、こうしたパーツが取り外しやすい“マザーボードだけ固定しているケースのようなもの”が便利だったりする。
 結構いい加減な作りだが、冷却という面でも有利な面も多いというのがオープンエアー型のケースの良い部分でもある。
 但し、そのままで空冷になるワケではない。実際には冷やしたい部分にファンを取り付けるなりしないと、オープンエアー型のケースはクローズドのケースよりも冷えない事もある。
 というのは、クローズドのケースはケースファンで強制的に内部に空気の流れを作っているため、直接ファンの風を当てていないところでも空気は流れるが、オープンエアー型のケースではそうした事が一切起きない。
 外気に触れているから…と言っても、風が流れなければ冷えないのが空冷の定め。冷やしたい部分には風を直接当ててやらねばならないのである。
 またオープンエアー型のケースにはもうひとつ利点がある。
 それは…PCをよく掃除するようになる、という事である。
 正直、通常のPCケースだと内部の掃除をこまめにする人は珍しいと思う。
 しかしオープンエアー型のケースであれば、ホコリが溜まったなと一目でわかり、エアーでホコリを飛ばすなり、よく掃除するようになるのである。
 …この利点だけでも、私がオープンエアー型のケースにする意味があるような気がする(爆)
 とりあえず、こんな形のケースもあるという事に興味がある人は検討してみてはどうだろうか。
 もし、オープンエアー型なのにお金かけたくない…というのなら、アクリル板を使うという手もある事を覚えておこう。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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2 Responses

  1. アバター画像 うめー より:

    オイラは自作木製ケースを使用中ですよ
    作るのが超楽しかったー。
    市販PCケースもドスパラなどで中古が100円とかで売ってるのを買ってきて
    自分流に加工するのが楽しくて止められない。
    最近、溶接機や旋盤、フライス盤が欲しい今日この頃。。。

  2. アバター画像 武上 より:

    木製ケースかぁ…重量が凄いことになってそうだ。
    アルミの中古ケースとかいいかもしれないなぁ。
    スチールだと重すぎて話にならんけど orz
    ちなみに私は会社に行けばNC旋盤とかNCフライスとか、複合旋盤とか5軸同時MCとか、いろいろ選び放題!
    …使えないけどね(爆)

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