MacBook Proを買うのは待て?

いや、今すぐ必要なら即買うのが正しいのだが。

WWDC 2020

現地時間で6月22日より、Appleの世界開発者会議「WWDC 2020」が開催される。
いつもなら米国のAppl本社のApple Parkにて開催される同イベントだが、今年は31年目にして初の完全オンラインによる開催となり、2300万人以上のApple開発者コミュニティが一堂に会するバーチャルイベントになる予定らしい。
とりあえず、初の事なので最終的にどのような形で収まるのかは予想がしづらいが、オンラインでの開催なので、各オンライン会場での配信は終了後もオンデマンドで見る事ができるようだ。

Apple WWDC 2020
そんな「WWDC 2020」だが、今年の内容は既に各所から噂が出ており、どういった情報が発表されるかが論じられている。
その中でもとびきり私が注目している内容があり、それによって私のMacBook Pro 13インチ 2020年版の購入が左右されるのではないかと予想している。
その情報というのが、プロジェクト「Kalamata」、つまりARM版のMacの発表である。

ARM搭載Mac

Appleは以前よりMacに搭載してきたIntel製CPUをARMプロセッサへ切り替えると言われてきた。というのは、iPhoneに搭載するAシリーズ、その中でもBionicと呼ばれるコプロセッサと統合したA12 Bionicが登場した頃より、その性能は既にWindows系ノートPCクラスの性能を持っていると言われていた。しかもその時には既にGPUもAppleが自前で用意していたので、Aシリーズは基本アーキテクチャであるARMのみを英国ARM社よりライセンスとして受け、それ以外の部分は全てAppleが用意していたという状態である。
なので、MacのCPUをIntelからAシリーズに切り替えれば、AppleはMacでさえもほぼ自前のプロセッサでコントロールできる状態になるわけで、MacOSそのものがiOS系のOSと同じプロセッサで走るようにできるわけである。
一時期、MacOSとiOSの統合を進めていたAppleは、一度このプランを取りやめた、と噂されたが、このMacへのAシリーズ搭載によって、結果的に統合へと向かう事になるのである。
Apple側からしてみれば、これほどコストを抑える事になる話はそうそうない。今までMacOSの開発とiOS、iPadOSと使い分けていたものが、最終的には一つのOS、最悪でもコアアーキテクチャは一つに纏める事ができるわけで、開発のリソースを整理するには絶好の機会と言えるのである。

来年まで待つか?

で、このARM搭載Macの発表が今年のWWDC 2020であるのではないか? と予想されていて、しかもその発売は2021年になるのではないか? と言われている。
元々ARM系コアへと統合するだろうと言われていた噂だけに、その真実味はかなり高いと予想されるのだが、2021年に今のMacOSのARM版を登場させられるだけの開発が行われていたのかが問題。
あのMicrosoftのWindowsですら、今だARM版は本家x86コア版との間に機能差が存在しているわけで、いくらAシリーズの性能がx86コアと匹敵するぐらいになったからといって、OSまでそれに匹敵するレベルで造り込んでこれるのか?
ただ、Appleからしてみれば、ARM対応版のMacOSの研究は、AシリーズというARMコアへの統合を前提に相当前から準備していたとも考えられ、いざ移行するとなればMicrosoftよりはスムーズに、かつ速く対応してくるのではないかという予測もできる。
ただ、だからといって、従来のx86コア版MacOSをイキナリ廃止するなんて事はないし、どちらかと言えば最初は従来のx86コア版のMacOSの方が安定している可能性は高い。今までの実績がある分、その安定感は否定のしようがない。
だからこそ、迷うのである。
私のように、絶対に今MacBook Proがないとダメだというわけではない人間からしてみれば、来年に希望をもってARM版MacBook Proが投入されるのを待つか、それとも最後になるだろうx86版MacBook Proに手を出すか、実に悩ましい話である。
初めから、より安定したMacBook Proが欲しいとなれば、最初に発売される製品には手を出さない方が良い、と考える事もできる。仕事に使って行くなら、初物は極力さけた方がよいというのは、定説である。
だが、だからこその挑戦が、ARM版Macにはある。
何と言っても、同じAシリーズで動作するのだから、iOSのアプリ開発のリソースが新たなMacの世界を広げる可能性がある。そうなれば、x86版Macにはない魅力がARM版Macにはある事になる。

というわけで、そうした情報をより深く知るためにも、まずは現地時間6月22日開催のWWDC 2020が開催されるまで、MacBook Proの購入は控えた方がいいだろう、と思っている。
私自身、購入の決断は今月末ぐらいかな、と思っているので、そこまで引っ張れば自ずとWWDC 2020でこの話題が出るのかハッキリしてからになるので、今はその情報待ち、という判断をしている。
なので、今MacBook Pro含めたMacの購入を考えている人は、もし今すぐ買う必要がないというのなら、今しばらく待った方が良いと伝えたい。
急いで以内なら、WWDC 2020の情報を知ってから購入しても、遅くはないだろう。あと8日間(日本だと9日間)待てばハッキリするのだから、今は待つ事をお薦めしたい。
ま、欲しい時が買い時と言うのがPC購入のセオリーではあるのだが、大きな変化の前になるかもしれないので、未来予想の為にも今回は待った方が良いだろう。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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