欧州と米国で値下げが行われているらしい。
最大125ドルの値下げ
AMDが欧州や米国でのRyzen 7000シリーズの販売価格を下げているという。
その値下げは50~125ドルになり、公式オンラインショップに限らず、米国Amazonや米国NewEggなどでも値下げが行われているという。
日本でも、今月上旬くらいまではマザーボードとのセットで値下げキャンペーンが実施されていたが、CPU単体での値下げというのは行われていない。
では欧州と米国の今回の値下げは、恒久的なものなのだろうか?
いろいろ調べて見ると、ドイツメディアPCGHがAMDに問い合わせたようでその回答によると、単にブラックフライデーに伴う値下げのようで、欧州や米国に限らず、世界的に同様のキャンペーンを辞しする予定だという。
という事は、11月下旬にかけて日本でもRyzen 7000シリーズの安売りが実施される可能性はとても高い。円安が影響して思っているほどの値下げ幅にはならないかもしれないが。
とりあえず、今週末くらいから値下げが行われたかのチェックはした方がよいかもしれない。
それでも問題が…
ただ今回のRyzenの場合、CPUの価格だけを下げてもあまり意味はなく、マザーボードの価格を下げない事にはRyzen 7000シリーズの浸透は難しいと私は考える。
X670チップセットのマザーボードだと最安でも48,000円程度、B650チップセットのマザーボードなら最安で30,000円を切るぐらいのものはあるが、それでも安いかと言われれば割高に感じる事は避けられない。
Intelの第13世代コアに関しては、第12世代コアと同時発表された600世代のマザーボードが利用できるので、安いものだと10,000円台前半からマザーボードが用意されている。しかも600世代と最新の700世代の違いはそう多くはないので、機能的にも600シリーズは割安感を感じる。
残念ながらRyzen 7000シリーズはソケット形状が変わっただけでなく、機能的なアップデートが響いたのか全体のコストが驚く程上昇したため、AM4プラットフォームからは確実に高額化している。これを何とかしないと、Intelとの性能差も相まって不利な状況にある事は避けられない。
なので、このCPU以外の価格をどうにかしないことには、新規にPCを構成する側からすれば、Intelで良くないか? という事になりかねない。
性能的にIntel第13世代とRyzen 7000シリーズが決定的な差をつけてAMD有利となれば話は別だが、逆にAMD不利な状況だと消費者側の選択肢にはなかなか乗ってこないだろう。
ミドルレンジ以下
現状、IntelもAMDもCPU的にはまだミドルレンジからハイエンドクラスまでのラインナップで発売している状況なので、本格的なシェア争いが始まるのは来年初頭を超えた辺りのミドルレンジからエントリークラスまでの製品が出始めてからだと思う。
ただ、前述したようにマザーボードのチップセットは既にミドルレンジクラスのチップセットまでは登場していて、残るはエントリークラスのみという状況である。
だが、チップセットにおいてエントリークラスというのは、相当に機能を削られているところがあるので、購入する人を限定してしまう可能性がある。
だからこそのミドルレンジの価格が普及のカギになると言える。AM5ソケットのマザーボードはこの点で価格が高すぎると言われているワケである。
願わくば、このあたりの価格改定が行われ、Ryzen 7000シリーズが導入しやすい製品になる事を祈るばかりである。
Ryzen7 7700とB650Eのマザーボードの組合せで価格がグッと安くなると私も一気に導入に向けて意識が向くのだが…今後の市場動向に期待である。