スクウェア・エニックスがテクモを飲み込もうとしている。
テクモ株式の友好的公開買い付けを提案するという話で、友好的であるというところを強調しているように思える。
実際、記者会見では友好的な話ばかりが出ていたようで、テクモ側に受け入れられなければ、そのまま引き下がるような話である。
だが、もしこれが受け入れられたなら、スクウェア・エニックスはとんでもない資産を手に入れる事になる。
別に株式がどうとかいう問題でなく、テクモが持つコンテンツの全てを手に入れる事になるのである。
DEAD OR ALIVEをはじめ、日本でも優れた3Dテクノロジーの一つをスクウェア・エニックスが手に入れるのである。
また、テクモはオンラインゲームでもかなりの資産を持っている。
そうした資産を手に入れる事のメリットに対し、スクウェア・エニックスはテクモ株式の友好的公開買い付けに出るわけだが、ファンドを利用した買い付けではなく、あくまでも手元にある資金で買うという。
…まぁ、それを可能にする資金を手元に持っているという事なのだろうが、リスクを伴わない買い付けであるため、買い付けたなら、そこから得られた資産はとんでもないモノに化ける事になる。
そういう流れの中で見たとき、私が一番最初に考えたのが、バスタードオンラインは今後どうなるのだろうか?という事である。
テクモは人気マンガのバスタードをオンラインゲームとして展開する発表をしている。
遅々として進まず、進展がない状態が長らく続いているが、コンテンツとして考えたときの魅力は底知れないものがある。
ましてDEAD OR ALIVEの実績があるテクモである。そのグラフィックは誰もが期待するところだ。
もし今回の株式公開買い付けが成功すると、このバスタードオンラインもスクウェア・エニックスの一つとして組み込まれる事になる。
たしかに、今の日本のゲーム業界は世界的に行き詰まっているところまで来ているが、私はファイナルファンタジーの流れが正しい流れとは決して思わない。
横井軍平氏の枯れた技術の水平思考とはかなり離れた物作りをしている同社には、同社のやり方があるのかもしれないが、ゲームの本質をはき違えている部分がなきにしもあらずという感じに見えてしかたがない。
統一し、巨大な組織となって巨額の資金を投下してのモノ作り。
そんなアメリカンナイズなモノ作りを日本企業が真似したところで何になるというのか?
とりあえず、DEAD OR ALIVEがファイナルファンタジーのようにならない事を祈りながら、今後を見ていきたい。