10cmフルレンジスピーカー

Stereo 2015年8月号に10cmフルレンジスピーカーユニットが付録として付いてくる。

Stereo誌史上最大の付録

私が現在使用しているスピーカーは、Stereo誌の付録で付いてきたスキャンスピーク製5cmフルレンジスピーカーユニットを利用した自作スピーカーである。
ユニット自体は小さいが、エンクロージャーがバックロードホーン構造となっていて、大きさに似合わぬ低音が出たりする。
このエンクロージャーも音楽之友社から同時発売されたものをそのまま利用しているが、Stereo誌と別冊を購入すれば、自作できるだけの一通りのパーツが手に入る、というワケである。
そして今年、そのStereoの付録史上最大の付録が登場した。
なんと、10cmというサイズのフルレンジスピーカーユニットが付いてくるのである。
ユニットはフォステクス製の「P1000-K」をベースとした特別製の「P1000」で、オリジナルからは素材や磁気回路などを変更しているという。
ユニットスペックとしては、インピーダンスは8Ω、最低共振周波数90Hz、再生周波数帯域f0~16kHz、出力音圧レベル88dB/w(1m)となっている。実効振動半径は4cmで、重量は303g。背面に付くマグネット重量は103gと全体の1/3ほどを占める。
バッフル穴寸法は94mm径で、一応標準エンクロージャー方式としてバスレフとなっているが、自作スピーカーの面白いところは、この標準エンクロージャー方式に従わず、好きな構造を選ぶことができるところにある。

バックロードホーン

今回のStereo誌の付録と同時発売される別冊に付属するエンクロージャーは、やはりバックロードホーン構造のもの。
私が自作した時は、このバックロードホーン構造のものと、バスレフ構造のものを選べるようになっていたが、どうも今年はバックロードホーン構造のものしか存在しないようである。10cmフルレンジスピーカーただ、私の時のバックロードホーン構造と今回の構造は異なっていて、今回のものはスピーカーユニットのすぐ後ろから下側へ抜けるような構造になっている。これはこれで計算された構造なのだろうが「スピーカーは箱で鳴らす」という言葉を実感できる構造と言えるかも知れない。
使用している木材はMDF材で、バックロードホーンを形作る板は9mm厚。側板は5.5mmと、ちょっと物足りなさを感じるかもしれないが、実際に組み立てれば気になるような事はないだろう。この辺りは私が自作した時と変わらないスペックである。

このスピーカーユニットとエンクロージャーを使うと、なかなか味のあるスピーカーが完成するのだが、問題はその価格。
Stereo 2015年8月号が3,990円、別冊が4,860円と両方合わせると8,850円と結構な金額になってしまう。まぁ、それでも普通にスピーカーを買うよりはずっと安いのだが、音が鳴れば何でもイイ…という人からすると、高いスピーカーに見えるかもしれない。
だが、自作すれば解るのだが、ホントにちょっとした事で音が変わるのである。
そうした音を楽しむという方向で考えるようになると、こうしたスピーカーのホントの意味が見える様になる…と私は思う。
そういう「音を楽しむ」という方向に興味のある人は、こうした付録スピーカーは素材としてもってこいのものと言える。
エンクロージャーを自作できる人なら、スピーカーユニットだけでもいいわけだから、楽しみ方は人それぞれである。
興味のある人はぜひ自作してみてもらいたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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