Daily Archive: 9月 19, 2008

琥珀色の遺言

 初めてこのタイトルをプレイしたのは、名器X68000で発売されたものだった。
 リバーヒルソフトというメーカーから発売されたタイトルで、JBハロルドシリーズとは別物のタイトルとして発売された…と記憶している。
 JBハロルドシリーズといえば『殺人倶楽部』や『マンハッタンレクイエム』などが有名だが、それらのタイトルは米国でのストーリーであり、どこか小じゃれた展開がウリであった。
 そんな雰囲気も決して悪くはないのだが、日本っぽい何かが欲しいと当時思っていた私は、藤堂龍之介シリーズとして発表された、この琥珀色の遺言は実に興味のあるタイトルに映った。
 明治から大正という、日本でも和風と洋風がもっとも色濃く混ざり合った時代をモチーフにしているだけあって、現代日本とはまたちがった独特の雰囲気があるこの作品は、そうした時代に何か特別な思いのある人にとっては多分たまらない世界観だと思う。
 当時の私は明治維新から昭和初期という時代背景のゲームを好んでプレイしていたため、この作品の世界観は完全にマッチしたものだった。
 そもそも琥珀色の遺言という言葉にある琥珀色という言葉も、明治から大正にかけてよくみられた洋館の色を表している。
 この時代の洋館というのは、今でいう洋館とは全く異なる建築物であり、ゴシック調やアールヌーヴォー調といった雰囲気で作られたものが多い。
 この作品に出てくる琥珀館もアールヌーヴォー調の建築物(記憶ではそうだったと思う…)で、そうした時代のテイストが、ストーリー上にいろいろと現れていた。

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