RTX 4070 Tiの予兆?

NVIDIAがRTX 4080 12GB版の取り下げを発表。

紛らわしさ解消のため?

NVIDIAが、既に発表した製品であるGeForce RTX 4080 12GB版の発売を中止すると発表した。
元々、RTX 4080は16GB版と12GB版が存在し、しかもこの2種は違うコアを使用しており、何故同じシリーズ名で発売されるのか? という疑問が各所で言われていた製品である。
名称変更して発売されるのは間違いないだろう同じ名前で紛らわしいという事は最初からわかっていた事で、おそらく当のNVIDIAも判っていたはずである。にもかかわらず、NVIDIAは発表時にRTX 4080が2種発売されると発表したワケだが、これをどう受け止めるべきか?
世間では、RTX 4080 12GB版に使用したコア価格を下げずに済ませる為…という見方があるが、残念ながら私もそう思えて仕方が無い。
NVIDIAからすれば、名称でグレードを下げてしまえば、その名称からのイメージで価格が左右される事は今までの慣例で理解しているハズで、そうなれば例え性能を引き上げたとしても、名称からくるイメージを超えて価格を引き上げるのはとても難しい。だから最初から価格を高い位置にしてしまえば、単価を下げずに済む…というのは、実にわかりやすい心理である。
しかし、カードベンダーや販売店からすれば、同じRTX 4080で、搭載しているメモリ量が異なるだけで、性能が大きく変わるという似て非なる製品を取り扱うのは、紛らわしいだけでなく、顧客に誤解を与える要因にしかならない。
そうした声があまりにも大きかったのだろうか、結局NVIDIAはRTX 4080 12GB版の発売を中止したわけで、それも発売約一ヶ月前という段階での中止発表である。
混乱する業界が、再び混乱する自体になったと思うが、それでも私からすると今回のNVIDIAの発表は間違っていないと思う。というか、最初が間違っていたわけで、それが是正された、というだけの事ではある。

変更する名称は?

ただ、NVIDIAは12GB版の発売を中止した事に違いは無いが、元々存在していた製品を全て廃棄する、なんて事はしないだろう。
となると、名称を変更して発売する事になるとは思うが、そうなるとどんな名称が相応しいだろうか?
まず、RTX 4080 12GB版は、そのTDPが285Wと前モデルでいうとRTX 3070 Tiと重なるレンジになる事から考えて、やはりRTX 4070 Tiが相応しいと考えられる。
というか、おそらくそう考える人は私だけでなく、ちょっとハードウェアに詳しい人なら同じ事を考えるのではないだろうか?
ただ、今回の発売中止騒動は、消費者側の視点で見れば中止となったハードウェアは今後どういったグレードの製品になるのだろう、と思うレベルで事は済んでしまうが、NVIDIAからコアを購入し、カードを製造するベンダーなどは話がとても厄介になる。
発売されるであろう11月中旬まであと1ヶ月、そうなるとベンダーとしては既にチップをNVIDIAから購入している頃ではないかと思うが、その製造計画を大幅に変更しなければならないのだから、ベンダーの被害はそんな簡単なものではないだろう。
NVIDIAは、このタイミングで発売を中止した事による、ベンダーへの何かしらの救済がないと、EVGAのように撤退するベンダーが現れても不思議ではない。というか、チップ供給メーカーだから何をしても許されるなんて考えてはいないだろうな?

価格は…多分高いまま?

今回の件でRTX 4080 12GB版は名前を変更して発売される事はほぼ間違いないだろう。だが、発売された時の価格に関しては、今発表されている価格と変わらないまま登場する事になる可能性が濃厚だ。
結局、NVIDIAの思惑であろう通りに、価格は引き上げられたまま4070シリーズが展開していく事になるだろう。
今の半導体製造を考えれば、NVIDIAが考えるように利益をとにかく追求していきたいと思う事そのものは理解しないでもない。
だが、法外に価格が上がり続けていけば、顧客は他の抜け道を進もうとしていく。当たり前だが、需要と供給のバランスの上で、原価を巻き込んで価格は決まっていくわけで、メーカーが法外に価格をつり上げても顧客は買わないだけである。
今回発売中止したモデルがどのような形で登場し、どのような価格で扱われるようになるかはまだ読めないが、最終的には落ち着くところで落ち着く事になる。ただ、そこに変な意図がなければ有りがたいのだが。

とりあえず、NVIDIAはRTX 40シリーズのラインナップの整理をする事になる。
今よりリーズナブルに、高性能なGPUが提供される事を切に願いたい。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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