D&DがPS3にやってくる

 1990年代にアーケードゲームとしてカプコンから“ダンジョンズ&ドラゴンズ タワーオブドゥーム(Dungeons & Dragons: Tower of Doom、以下D&D ToDと略)”というゲームが登場した。
 このゲームはカプコンが主に得意としたベルトスクロールアクションゲームで、このベルトスクロールというのが、横スクロールでありながら強制スクロールでなく、プレイヤーが左右方向に自由にスクロールさせる事ができるというジャンルになる。カプコンはこういったベルトスクロールゲームのヒット作をいくつか展開していたが、このD&D ToDもその流れを組むアクションゲームであった。
 その後、このD&D ToDのヒットと共に、“ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ(Dungeons & Dragons: Shadow over Mystara、以下D&D SoMと略)”を展開し、広くゲーマーの間にD&Dという作品を根付かせた。

 まぁ、知っている人は今更という話ではあるのだが、もともとDungeons & Dragons(以下D&Dと略)は電源を使用するゲームではなく、シナリオ進行役(これをゲームマスターと言う)とキャスト(ロールプレイする人、つまり役割を演じる人)がテーブルを囲み、一つの仮想舞台を演じきる(ロールプレイする)遊びの定番中の定番のタイトルである。これらのゲームを日本ではTRPG(テーブルトークRPGと言ったりする)というのだが、一定のルールを示したルールブックに則り、サイコロでランダムな判定を行い、ゲームとして成立させてある。昔は米国ではゲームといえばコチラが定番であったのだが、日本はこのTRPGが広まる前にコンピュータでTRPGを模した形のものが広まったため、あまりTRPGが広まる事はなかったのだが、日本で有名なドラクエが参考にしたウィザードリィやウルティマというゲームは、まさにこのD&Dを模したゲームと言える。
 その元祖たるD&DがRPGでなく、アクションゲームとして展開されたのは、世の中にウィザードリィやウルティマのようなゲームが氾濫した結果かもしれないが、それでもD&Dがゲームになったというだけで私的には感慨深く、いつかコンシューマ化されないかと待っていたものである(1999年にセガサターン用に“Dungeons & Dragons Collection”として販売された事はあるが、セガサターン終焉の頃の作品であるため、私は未プレイである)。

 今回、それがPS3、Xbox360、Wii Uの3機種でダウンロード販売される事が、アメリカのボストンで開催中のゲームショウ“PAX EAST”で発表された。
 国内で展開するかどうかは分からないが、北米では2013年の6月に予定されているという。

 今回発売されるD&Dは、D&D ToDとD&D SoMをHDグラフィックスでリメイクし一本化されたものになる。タイトルは“Dungeons & Dragons: Chronicles of Mystara”と言い、残念ながらまだ邦題は不明である。
 このゲームは非常にクセがあるため、人によってはツマラナイと思う人もいるかもしれない。だが、基本的にベルトスクロールアクションが好きな人は受け入れられるだろうし、今作で多少バランスも取り直されるとは思う。
 リメイクがどの程度になるのかにもよるが、国内でも待ち望んでいる人がいる事も事実であり、そういった人達向けにダウンロード専売という形を取るのだろうと思われる。
 日本では2月にカプコン アーケードキャビネットという、昔の名作をダウンロード販売するプラットフォームが出来上がっているため、それで国内も展開して欲しいところである。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

2 Responses

  1. ruser より:

    ついに、ついにコンシューマゲーム化ですか!
    カプコンお得意のタイプのゲームだけど、実は私は苦手な方。
    でも、D&Dだからってゲーセン(アミューズメントパークに非ず)で100円玉を積み上げてましたっけ。
    最悪ローカライズされなくても良いから買えるようになって欲しいな。デモンズソウルやダークソウルで鍛えられた今なら、心が折れずに出来そうな気がするw

  2. 武上 より:

    記事内では期待してるみたいな事を書いたんだけど、ちょっと考える事もある。
    当時はものすごく面白かった記憶があるんだけど、今プレイするとどうなんだろう?
    好まれるアクションの質も、今と昔では違ってきているから、実際はやってみないと何とも言えないという所もあるように思える。
    TRPGならそんな事考えるまでもなく判断できるんだけどね…。

ruser へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version