独特の世界観と音楽

ヨコオタロウ氏の独特の世界。

廃退的かつ絶望的

NieR:Automataが爆発的ヒットとなり、今ではもうメジャー作品として広まったニーアシリーズだが、その世界観は決して大衆的とは言い難いように私は思う。
どこか廃退的で、絶望的。それでもその中にちゃんと意味があり、一筋の期待が見え隠れするという、実に繊細かつ大胆な雰囲気は、全てが大団円で終わる堀井雄二氏の世界とは真逆を行くのではないかと思う。
個人的にはどちらの世界観も好きなのだが、どちらかを選べと言われたら、多分私はヨコオタロウ氏の世界観を選ぶかもしれない。
少なくとも、NieR:Automataをプレイした事のある人なら、私が言う意味を多少なり理解してくれるのではないかと思う。
ただ、ニーアシリーズをプレイした事がない人にとって、いきなりヨコオタロウ氏の独特の世界観を理解するのは難しい。
もし手軽にその世界観に触れたいなら、多少過激ではあるが、スマホゲームのシノアリスをプレイしてみる事をお薦めしたい。シノアリスは基本プレイは無料なので、スマホさえあればその世界観に触れるぐらいは容易にできる。
ただ…シノアリスはニーアシリーズよりもさらに過激ではないかと思える部分もある為、シノアリスの世界観に耐えられるなら、ぜひともニーアシリーズの世界観にも触れて欲しいと心より願う。

朗読劇

このNieR:Automataの世界観を朗読劇として4月および5月にコンサート「NieR Music Concert≪人形達ノ記憶≫」が開催されていた。関西と関東で実施されたそのコンサートは、BGMのオーケストラによる演奏と朗読劇で構成されていた。凄まじいシナリオ量しかも開催される公演それぞれで、朗読劇の内容が異なるという豪華さで、全てを知るには全てのコンサートに出向かねばならなかった。
だが、そもそも全てのコンサートに出向くのはほぼ不可能だったに違いない。何しろチケットは即日完売で、入手するのも難しかったのだ。
なので、コンサートに行けなかった人だけでなく、行けた人であっても全てを知りたいという人は多いのではないかと思う。
その要望に応えるかのように、この「NieR Music Concert≪人形達ノ記憶≫」の千秋楽公演の演奏楽曲と、全ての公演で行われた朗読劇がBlu-rayで販売されるという話が6月23日に発表された。価格は5,800円(税別)で、スクエニe-Store、Amazon、SonyMusicShopで現在予約を受け付けている。
定評のある音楽も聴き応えがあるが、何より独特の世界観を持つ朗読劇が全て聞くことができるという時点で、ファンなら買いの一品だが、この度、このBlu-rayにもう一つ収録される内容が追加された。
実は、この「NieR Music Concert≪人形達ノ記憶≫」は台湾でも公演が行われたのだが、ここでも他とは違う内容の朗読劇が実演された。発売されるBlu-rayには、この台湾公演の朗読劇も追加収録される事となり、これで完全版の朗読劇の収録となった。
なお、今回追加される台湾公演朗読劇は、現地内容をそのまま収録したのではなく、日本にて新たに録音されたものが収録される。
現地の雰囲気を感じる事はできないかもしれないが、重要なのはその中身。収録される事にこそ意味がある。

ヨコオタロウ氏の独特の世界に興味のある人はぜひBlu-rayを手にして見てはどうだろうか?

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Share
アバター画像

武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

You may also like...

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。

Desktop Version | Switch To Mobile Version