今年は2社のドライバー

フォステクス製とパイオニア製。

8cmと6cmのユニット

音楽之友社のステレオ誌が毎年夏ごろに発売するのがスピーカーユニットを付録とした号である。
基本的に10cm以下のフルレンジユニットを付録として付け、ムックでエンクロージャーを付録化するパターンなのだが、今年はこの号そのものが2種に分けられ、8cmのフォステクス製ユニットを付録とした号と、6cmのパイオニア製を付録とした号が発売される。今年は2種類特に今回初登場なのがパイオニア製ユニットで、6cmの小口径ながら大型のマグネットを採用し、デスクトップ用の小型スピーカーから低音を稼げる長いホーンを持ったバックロードホーンのスピーカーにも対応できるものとなっている。
8cmのフォステクス製ユニットは、昨年の「Stereo 2016年8月号」付録のメタル振動板採用8cm径ユニットをグレードアップしたもので、振動板中央に円錐状「フェイズプラグ」をフォステクスで初めて採用したものとなる。マグネットも大型化されていて昨年モデルを超える音質を楽しむ事ができる。
スピーカーユニットが付録、という事で、完成品のスピーカーではないわけだが、自作スピーカーそのものはそんなに難しい工作ではない。
エンクロージャーさえ合わせられれば、あとは必要パーツとの配線だけで完結できるので、手軽に組み立てられる。
音楽之友社では、こうしたスピーカー制作の教本としてムック「スピーカー工作の基本&実例集」というのを同時に発売していて、エンクロージャーを初めとした必要パーツを付録として付けている。
但し、8cmのフォステクス製ユニットは、今年「スピーカー工作の基本&実例集」は発売されず、昨年の「スピーカー工作の基本&実例集 2016年版」を利用することになる。

意外と響く

私は2013年にスキャンスピーク製の5cmユニットを組み立てた事がある(http://j.mp/2upJ39y)。
同じようにムックで発売されたエンクロージャーを利用して、簡易的なバックロードホーンスピーカーとして作ったのだが、これはこれて味のある音が出ていた。
5cmユニットであるため、非常に横幅の狭いスピーカーとして、デスクトップ周りに置くには良い感じに収まるスピーカーだったが、同じく私が所有するビクターのウッドコーンSX-WD30(今はケンウッドと一つになったが…)と比較すると、何かが違う、という印象を受けた。
ただ、これは違いなだけであって、決して音が悪いという意味ではない。低音域を再現するという意味では確かにバックロードホーンは効果が出ていると思うし、小さなユニットから出ている音としては十二分な音質だと思う。
好みの問題でもあるので、自作スピーカーはダメという事とは違うので、注意願いたい。
それに、詳しい人ならわかると思うが、スピーカーは自作であろうと市販品であろうと、その音の善し悪しは一概には言えない。一応、市販品はプロが設定した仕様で作られているため、安定した音が出る事は間違いないが、より拘った音を出すには、自作や市販品に手を入れたスピーカーという事になる。
なので、雑誌の付録だから…と甘く見るよりは、雑誌の付録で如何に自分好みの音を出すか? という所に注目して自作スピーカーを楽しむ方が正解だと私は思う。

ここ久しく音響関係を自作する事がなくなったので、コッチ方面も何かやりたいな、と思ってはいるのだが、多趣味故に全てに手が回らない。
やはり趣味はある程度絞るべきかもしれない。

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武上

18歳の時、人生の最大の選択ミスをしてしまい、いきついた場所として山梨県人となる。 その後、建設業に身を投じ、資格をいくつか取得するものの、結局自分の性格と合わない事を理由に上京。 上京後、世間で話題になりつつあったアニメ・ゲームを主体とする業界の人間となり、デジタルコンテンツ業界を含む数々の著名人と同じ土俵でマルチメディアな仕事をするに至る。 一見華やかなメディアの世界の、その闇の深さたるやハンパない事こそ世間に何となく知られてはいるが、業界人しか知らないその氷山の全体像を十分すぎるほど目の当たりにした後、家庭の事情で再び甲州へと帰還。 しかし、この帰還も人生の選択ミスだったかもしれないなぁ…と今では思うものの、時既に遅し。 今は地元の製造業を営む会社の総務・品質保証という地味ではあるものの堅実な職につき、いつか再びやってくるだろう夢の実現を信じて隠者的生活を送っている…ハズだったのだが、またしても周囲の事情で運命は波乱の様相を見せ始めた。 私の人生は一体どの方向を向いているというのだろうか? ちなみに筆者はPCとの付き合いはかなり長いと思っている。 古くはPC-8801 mk2 SR、X1 Turbo、X68000、FM-Towns、PC-9801シリーズ(互換機含む)、PowerMAC 9500等をリアルタイムで使い、その後は、Windows PCの自作機を中心に現在に続いている。 デジタルガジェットに関しては興味もある事から、その時代の時々において、いろいろ使ったり調べたりして、専門家ほどではないが知識は蓄えてきたと思っている。 そうした経験を元に、今の時代へ情報発信させてもらっている。少々くどい言い回しが多いかも知れないが、お付き合いいただけるとありがたい。 連絡先:takegami@angel-halo.com (@を小文字にしてください)

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