久々に自作の知識を掘り返す。
自作の知識を振り返る
私が自作PCを組んだ一つ前の時期というのは、2017年の12月頃になる。5年前、という事になるのだが、その間にPCの世界は大きく様変わりしてしまった。
特にAMDがRyzenを発表した事で、CPUコア数がエントリーモデルでも4コアとなり、ミドルレンジで6コア、ミドルハイで8コア、ハイエンドともなれば16コアと、今までとは考え方そのものが変わるぐらいのマルチコア化が進んでしまった。
私がメインPCに使っているCore i7-8700Kは、登場当時6コア12スレッドで4コア8スレッドが多かった状況で考えると6コアでも頭ひとつ飛び抜けて高性能、と言われた。
だがその翌年、Intelは遂にCore X以外で8コア製品を投入、時代はミドルハイクラスでも8コア製品が普通に出てくる時代へと変化した。
このように、私が自作PCを作る時というのは概ねCPUの性能を中心に検討を進めてきたワケだが、それはマルチコア化が一つのトレンドだった為であり、性能を引き上げるにはコア数を増やすというのが当たり前に考えられるようになった為でもあった。
そして今はというと、基本は8コアを真ん中にしていて、ハイエンドで16コアまで、下は4コア製品というのが基本的な構成という状況となった。おそらく今後もしばらくはこの構成が基本となった製品構成ではないかと予想されるので、今後はアーキテクチャのシングル性能の進化とその他の要素で性能差が生まれるようになるのではないかと考えられる。
つまり、今の私とすれば、Ryzenを中心に考えるとするならば、Zen3なのかZen4なのか、メモリがDDR4なのかDDR5なのかでその性能が変わってくると考えられる。もちろん、CPUの動作クロックも影響はあるのだが、そのクロックも今やベースやブーストなど一つの指標では考えられない時代なのである。
メモリレイテンシ
CPUは今言ったコア数や動作クロックでグレードが分かれているので、そのグレードを決めてしまえば性能指標は出てくる。
そしてそのCPUを収めるマザーボードによって、搭載するメモリもDDR4なのかDDR5なのかが決まるので、CPUとマザーボードが決まれば自ずとメモリの規格も決まってくるのだが、実はそのメモリに関しても、どんなメモリを搭載しても同じかというとそうではない、という話が本日の話。
最近はメモリもオーバークロックしたりして性能を引き上げるというのが当たり前のように出来る時代になった。Intelであれば、XMPという標準的なオーバークロックプロファイルが存在するし、AMDも今はEXPOというオーバークロックプロファイルが用意されたが、このプロファイルを使用してもなお、メモリ性能は全て一定にはならない。それがメモリレイテンシという存在があるため。
このレイテンシの数値が低いものほどメモリ速度(というか反応)は速くなり価格が高くなる。逆にレイテンシの数値が高いものは速度が遅くなるかわりに安くなる。メモリに価格差が往々にして存在しているのは、このレイテンシの数値の違いによるところが大きい。
数値は結構製品によってばらつきが出るし、何よりDDR4とDDR5でも大きく異なるので、これぐらいが良いという例は記載しないが、とにかくCLの数値が小さいモノを用意したい。価格が許せる限り、CLの小さな製品を購入する、とだけ覚えておけば良いだろう。レビューサイトと同じ構成なのに自分のPCは性能が出ない、という時は、大凡このメモリレイテンシが影響している可能性が高い。
ケースのいろいろ
PCケースのパターンも昔から比べると随分と増えたように思う。
ATXやmicroATX、mini-ITXといったマザーボードの規格に応じた大きさの違いは当たり前として、最近では電源搭載位置の違いでPCケースにもいろいろ種類が増えた。
以前は電源はほぼマザーボードの上側に取り付いて、PCケースの重量バランスは上ほど重い、というものばかりだった。
しかし最近では電源がPCケースの下部に取り付いたりするものもある。
他にもあまりみないタイプだがマザーボードは通常PCケース正面からみて右側面に取り付くものだが、あえてそれを左側面に取り付け、マザーボードを上下逆さまにして取り付けるというタイプもある。このタイプのメリットは拡張カードがCPUの位置よりも上に来るという事。
また、排気がボトムアップする事を前提としたケースもある。PCケースの底から空気を吸い上げ、熱の籠った排気をPCケース上部より排出するという、熱は上昇するという原理に従ったタイプで、このタイプはPCケースの前後に空気が抜けるのではなく、上下で抜けていくので、ケースファンの向きと取り付けには注意か必要になる。あと電源の熱をどう逃がすかというのも課題になるかもしれない。
こうしたケースの配置の違いで、ケースファンの数や取付位置、向きなどを変えなくてはならないが、こういうのもケース内の空調を頭の中でいろいろシミュレートしてどのような組合せにするかを考えるのもまた楽しいところでもある。
だが、総じて言える事は、ケースはコンパクト型にしようと思えば思うほど、作業スペースも限られ、また取り回すケーブルも限定されたりするので、とてもハードルが上がるという事である。
自作PCの事を思い出しながら、いろいろ書いてみたが、確かにいろいろと今の自作PCの情勢は変わってきている。おそらくは最近のPCの発熱の高さと消費電力の大きさで変化したのだと考えられる。
簡易水冷のCPUクーラーが当たり前に使われる時代になったという事が、その変化を如実に物語っていると言える。
私は空冷へと逆行することを考えているが。
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